信頼できる医師が見つかる インプラントドクター事典 » インプラント治療の禁忌症 » 脳血管障害

脳血管障害

脳血管障害の患者がインプラントを受けられない理由

服用中の薬により止血が困難になるリスク

脳血管障害を患っている患者さんのなかには、血液の流れをサラサラにする抗凝固薬や抗血小板薬(ワーファリン・バイアスピリン・バッファリン・バナルジン等)を服用しているケースがあります。これらの薬を服用していると、インプラント手術時に止血が困難になるというリスクが高まります。

脳梗塞の後遺症も関係してくる

脳梗塞の既往がある患者には運動機能麻痺の後遺症が残る場合があり、特にインプラント治療で問題視されるのは嚥下障害(えんげしょうがい)と言う、ものを飲み込む機能の障害を引き起こすリスクがあります。自分で口腔清掃ができない患者の場合は、インプラント埋入手術ができたとしても原則的にインプラント治療はしない方が良いとされています。「飲み込みづらい」と少しでも感じる場合は、必ず事前に歯科医師に相談するようにしましょう。また、この後遺症は自覚症状が無い場合もあるため、かかりつけの主治医にインプラント治療のことを相談しておくことが大切です。

脳血管障害の患者がインプラント治療を受けるには

止血可能な薬剤濃度に下げる

脳血管障害患者がインプラント治療を受けるためには、止血可能な薬剤濃度に下げることが効果的です。しかし、インプラント治療を受けるからと言って、もともと患っていた脳血管障害の治療の妨げになってしまえば意味がありません。そのため、インプラント治療を行う際は、歯科医師とかかりつけ医師との連携が重要になります。治療を検討する際は、まずかかりつけ医師に相談をして、手術前に投薬の一時中止や減量を検討しなければなりません。

病状のコントロールが必須条件

脳血管障害患者がインプラント治療を希望する場合、脳血管障害の治療を行う内科医とインプラント治療を行う歯科医師との密な連携が必要です。病状をコントロールしていればインプラント治療を受けることは可能ですが、現在進行形で脳出血などがないという条件付き。また、どうしてもインプラント治療を受けたいからといって、歯科医師に脳血管障害を患っていることを内緒にしておくと最悪の場合、命を落とすというリスクもゼロではないので正直に話すようにしましょう。

脳血管障害患者はどのような歯科クリニックを選べばいいの?

検査体制が整っているクリニックがベスト

症状が落ち着いていればインプラント治療を受けられますが、脳血管障害の既往歴がある場合、歯科医師とかかりつけ医師の連携は必須。インプラント体を顎の骨に埋入する手術は外科手術となるため、高い技術と知識を持つ術者を選ぶようにしましょう。脳血管障害患者のインプラント治療はリスクも高いため、手術を断られたというケースもあるかもしれません。そのような他院で断られた患者に対して、親身になって相談・対応してくれるクリニックかどうかは重要なポイントです。術前のヒアリング体制、他院との連携が取れているか確認するようにしましょう。

脳血管障害患者のインプラント症例

既往歴に脳内出血がある70代男性の症例によると、この男性は右半身に若干の麻痺が後遺症として残っていました。上あごに歯がないため、義歯を装着していましたが歯茎に合っていなかったため、インプラント治療を受けています。一般的なインプラント治療である、あごの骨にインプラント体を埋入する方法ではなく、頬骨にインプラントを入れる「ザイゴマインプラント」を実施。インプラント体の埋入と義歯の装着で2度、外科的治療を行いましたが経過は良好のようです。このことから、脳内出血の既往歴のある患者でもインプラント治療は可能のようですが、病状のコントロールのほか、かかりつけ医との連携、十分な技能をもつクリニック選びは外せないポイントとなります。

参照:亀田総合病院歯科口腔外科:頬骨インプラントの3症例(pdf)(http://ir.tdc.ac.jp/irucaa/bitstream/10130/663/1/103_237.pdf)

参考文献

東京でインプラントの医師がいるおすすめクリニック一覧