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高血圧

高血圧がインプラントを受けられない理由

インプラント治療を受けるとき高血圧はリスクになります。まず、高血圧の方は動脈硬化が進行している可能性があり、脳の疾患(脳出血・くも膜下出血・脳梗塞など)、心臓の疾患(狭心症・心筋梗塞・心不全など)、腎臓の疾患(腎障害・腎不全など)が合併している場合があります。このような疾患があれば、インプラント手術中のストレスによって血圧が急激に上昇することで、急激に障害が発生することがあり、大きなリスクと考えられています。特に脳出血や脳梗塞、心筋梗塞などは、手術中に発生することがありますので、注意が必要です。一方で、高血圧があっても、インプラント手術後の経過には大きく影響しないといわれています。

高血圧がインプラント治療を受けるには

では、高血圧症の方がインプラント治療を受けられないかといえば、そのようなことはありません。的確な対策をとっていれば治療が受けられる可能性も大きいのです。

血圧のコントロールが重要

高血圧の方がインプラント治療を受けるために一番重要なことは、血圧がコントロールされていることです。薬を飲んでいれば、十分にコントロールされている方も多いと思いますが、血圧の基準は、かかりつけの医師に相談をしてください。脳梗塞や脳出血、心筋梗塞などの既往症がある場合には、インプラント治療を受ける歯科医院と連携をとってもらいましょう。正常値内の血圧でコントロールされていれば、治療を受けられる可能性は十分にあります。

十分な設備のある歯科クリニックを選ぶ

血圧がコントロールされていれば手術は可能ですが、血圧は常に変動しています。手術の強いストレスで思わぬ上昇を示すこともあります。そのような場合に備えて、血圧などを常時監視する生体モニターが設置されている歯科クリニックを選びましょう。また、ストレスを減少させるためには、静脈内鎮静法など麻酔のオプションがあることも重要です。

高血圧のインプラント症例

70歳になる女性の患者さんの症例です。上下とも無歯顎(歯が全くない状態)で、総入れ歯を使用していました。患者さんの訴えは、下顎の入れ歯が不安定なため、咀嚼がうまくできないというものです。既往歴としては、10年前に高血圧との診断を受けて、降圧剤であるカルシウム拮抗剤を1日2回服用しています。血圧のコントロールは良好ですが、不安や興奮などで、心拍数が上がったり、血圧が上昇する症状がみられました。

問題となる下顎は、非常に骨量が少ないため、通常のインプラント埋入は不可能と判断され、顎骨とその上にある骨膜という組織に金属のプレートを埋め込む「骨膜下インプラント」を実施することとなりました。ストレスを受けると血圧上昇が懸念されるため、鎮静効果のある静脈内鎮静法による手術を実施しました。血圧をモニターしたところ、手術前には上昇傾向にあったので、降圧剤を投与し手術を開始。手術中もモニターにより血圧上昇が見られましたが、降圧剤の投与で安定し、手術は終了して、良好な経過を得られました。

参照:静脈内鎮静法を用いた高血圧患者に対する骨膜下インプラント挿入手術の一症例

高血圧のインプラントQ&A

高血圧はインプラント治療ができますか

できます。ただし、血圧が十分にコントロールされていることが重要です。かかりつけの医師に事前に相談しましょう。

高血圧がインプラントを受けるリスクは何ですか

手術のストレスによって、血圧が急激に上昇することです。このことによって、脳出血や心筋梗塞などの症状が出ることもあります。

高血圧のインプラント治療の流れを教えてください

まず、血圧を十分にコントロールすることです。しかし、血圧は常に変動しますので、手術のときには生体モニターで血圧を常時監視するようにします。また、血圧上昇に備えて降圧剤なども準備します。血圧上昇が解消されない場合には、手術を中止することもあります。

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