リウマチだとインプラントはできない?
関節リウマチを患っている方や、治療薬(ステロイドや免疫抑制剤)を服用中の方の中には、「インプラント治療はできないのでは」と不安に思う方も多いでしょう。
結論から言うと、症状がコントロールされていればリウマチ患者様でもインプラント治療は可能です。
本記事では、リウマチ特有の治療リスクと注意点を解説します。
関節リウマチでも条件を満たせばインプラント治療は可能
関節リウマチであっても、症状が安定し、適切な診断と管理が行われればインプラント治療は可能です。
「リウマチだからインプラントは絶対にできない」と諦める必要はありません。
ただし、病気の活動性が高く症状が重い場合や、ステロイド薬を長期的に高用量で服用している場合などは、免疫力低下や骨への影響が大きいため、治療が難しくなる(禁忌となる)ケースが存在します。
そのため、現在の症状や服用しているお薬の種類・量を正確に把握し、治療の可否を慎重に判断することが不可欠です。
リウマチ患者が注意すべきインプラント治療の3つのリスク
リウマチを患っている場合、健康な人と比べてインプラント治療において注意すべき特有のリスクが存在します。
主に「骨の状態」「薬による免疫力の低下」「炎症による影響」の3点について詳しく解説します。
骨密度の低下や骨との結合不良
リウマチに伴う骨粗しょう症や、ステロイド薬の長期服用によって骨の新陳代謝が阻害されると、顎の骨の密度や質が低下しやすくなります。
その結果、埋め入れたインプラントと顎の骨がしっかりと結合(オッセオインテグレーション)するまでに通常よりも時間がかかったり、最悪の場合はうまく固定されずに抜け落ちてしまったりするリスクが高まります。
免疫抑制剤などによる感染症リスク
リウマチの治療で頻繁に使用される免疫抑制剤やステロイド薬には、全身の免疫力を下げる作用があります。
これにより、インプラントの手術中や手術後に、傷口から細菌感染を起こすリスクが通常よりも上昇します。
感染を未然に防ぐためには、手術前の徹底した口腔ケア(歯周病治療やクリーニング)と、術後の清潔な衛生管理が極めて重要になります。
術後の炎症や治癒の遅れ
関節リウマチは、自己免疫の異常により全身に炎症を起こしやすい疾患です。
そのため、外科手術であるインプラント治療の刺激によって、術後に歯茎などの周囲組織に炎症が強く現れたり、痛みが長引いたりする可能性があります。
こうした慢性的な炎症反応は、傷の治りやインプラントの定着を妨げる要因となるため、慎重な経過観察が必要です。
安全に治療を受けるための事前準備と対策
リウマチ患者様が安全にインプラント治療を成功させるためには、事前のしっかりとした準備と、医科・歯科の連携による対策が欠かせません。
リウマチの主治医(内科)と連携し薬を調整する
インプラント治療を始める前に、必ずリウマチの主治医(内科や専門医)に相談し、連携を取ることが大前提となります。
現在の病状や服用薬の情報を共有した上で、場合によっては主治医の判断のもと、ステロイドや免疫抑制剤などの薬を一時的に減量・調整し、最も安全に手術ができる治療時期を見極める必要があります。
自己判断での服薬中止や調整は絶対に避けてください。
事前のCT検査等で顎の骨の状態を評価する
治療前には、歯科用CTスキャンを用いた精密検査を行い、顎の骨の量や質、骨密度を立体的かつ詳細に評価することが重要です。
もしリウマチの影響などで骨量が不十分だと診断された場合でも、すぐに治療が不可能になるわけではありません。
骨移植や骨補填材を使用する「骨造成」などの処置を行うことで、インプラントを埋め込む基盤を築き、治療が可能になるケースも多くあります。
まとめ
関節リウマチやステロイド等の服用があっても、症状が管理されていればインプラント治療は可能です。
ただし、感染や骨の結合遅延といった特有のリスクを伴うため、内科の主治医と緊密に連携を取ることが不可欠です。
治療を検討する際は、全身管理や感染対策が徹底された、信頼性の高い歯科医院へご相談ください。